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幸せになれる89のヒント
高津 理絵
スピリチュアル・カウンセラー
第2章 よいことに目を向けて幸せな人生を歩もう
願いがかなう三つの法則
前著『あなたに「幸せな奇跡」がいっぱい起きる本』で、幸せになるための「奇跡」を
起こすためには、できることをひとつずつやっていくことから始めようとお伝えしまし
た。その方法として、「鏡を磨くこと」「言葉を磨くこと」「ハートを磨くこと」、この三つ
をご紹介しましたが、実践していますか?
「鏡は磨いたけれど、何も起こらない‥‥‥」という人は、他にやるべきことをやっていま
すか? 一回鏡を磨いただけで満足していませんか? どうぞ毎日やり続けてください。
「誰に何を言われようと自分はやる」というぐらいの気持ちが大切です。あなたの願いを
かなえるのも、この三つの法則が基本となりますから、ここで再度ご紹介します。
◇鏡を磨く
あなたの身の回りにある鏡をピカピカに磨きましょう。洗面所の鏡、バスルームの鏡、
姿見、手鏡、メイク用品の鏡など、すべての鏡を毎日磨き、いつでも自分の顔がキレイに
映るようにしておきます。歯磨きやメイクのついでにサッと拭くので十分です。
鏡を磨くことが、なぜ願いをかなえることとつながるのでしょうか?
普段当たり前のように使っている鏡ですが、実はとても大きなパワーを秘めています。
鏡は太古から神聖なものとされ、神社には「御神鏡」として祀ってあります。その鏡には
神様が映っていますので、覗き込んでみてください。何が映っていますか?
そう、あなたの姿が映っていますよね。誰の中にも神様がいるのです。
鏡という呼称からも、そのことが分かります。「かがみ」の真ん中にある、「が(我)」
をとると、「かみ(神)」になります。鏡を磨いていると、「自分が」「自分が」という我が
とれ、見通しがよくなり、直感が冴えてきます。
鏡と同様に、窓も磨いてキレイにしておきましょう。私は毎朝、起きたらすぐカーテン
や窓を開け、新鮮な朝のエネルギーを部屋の中に取り入れます。
次に、玄関を磨きましょう。履かない靴は下駄箱の中にしまい、傘もきちんと傘たてに
立てて、スッキリと片付けたら、水拭きをします。窓や玄関は幸せの通り道ですから、キ
レイにしておくと幸せやいい情報がどんどん入ってきます。
また、盛り塩もおすすめです。白い小皿の上に高さ三センチ程度の小山を作り、玄関の
両脇、寝室の四隅、トイレ、台所などに私は置いています。一カ月ぐらい経つと、溶け
たり固まったりするので、交換しましょう。塩は邪気を払い、場を清めてくれます。塩は
合成のものではなく天然塩がおすすめです。
毎朝、掃除をするのは大変と思うかもしれませんが、毎日磨いていれば汚れもたまりま
せんから、五分か十分もあればすぐにできます。これを続けていれば雪崩のごとくよいこ
とが起こり、あなたの願いをかなえることができるのですから、むしろ近道ではないでし
ょうか。
◇言葉を磨く
身の回りの環境をキレイに磨いたら、あなたの言葉も磨きましょう。言葉の使い方を変
えると、人生は大きく変わります。
昔から「言霊」という言葉があるように、言葉には霊力が宿ります。いい言葉を口にす
ればいいことが起こり、悪い言葉を口にすれば悪いことが起こるのです。言葉を磨くと
は、いい言葉を使うようにするということです。言葉の使い方により、願いはかなうこと
もあれば、かなわないこともあります。
いい言葉とは、喜びや楽しさ、幸せ、豊かさ、やさしさ、感謝など、口に出しても耳に
しても嬉しくなるような言葉です。それらを「天国言葉」と呼んでいます。たとえば、
「ツイてる」「嬉しい」「楽しい」「感謝します」「幸せ」「ありがとう」「許します」など、
なんでも肯定的にとらえ感謝する言葉です。天国言葉を使っていると、また天国言葉を使
うようなことがどんどん起こります。「幸せ」と言っていれば、もっと幸せなことが起こ
り、「楽しい」と言っていれば、もっと楽しいことが起こるのです。運のいい人、成功し
ている人は、みなこの天国言葉を使っています。
反対に、使ってはいけないのは「地獄言葉」です。運の悪い人はこの地獄言葉をよく口
に出しています。地獄言葉とは、「ツイてない」「許せない」、不平不満、愚痴、泣きご
と、悪口、文句、心配事など、なんでも否定的にとらえる言葉のことです。天国言葉と同
様、地獄言葉を使っていると、地獄言葉を使うようなことがまた起こってしまうのです。
どんなに気をつけていても、ときにはうっかり地獄言葉を口にしてしまうことがありま
す。そんなときは、天国言葉を十回言えばキャンセルすることができるので安心してくだ
さいね。神様は天国言葉が大好きですから、天国言葉を聞くたびにあなたをサポートして
くださいます。
◇ハートを磨く
ハートを磨くということは、自分を信じ、いつでもいいことを考え、笑顔でいるように
心がけることです。
人はとっても心配性です。それはなぜかというと、心配をしなければ命を危険な状態に
さらしてしまう場合があるからです。たとえば、高い木にのぼっておりるとき、ゆっくり
とおりるのは、落ちたらケガをしてしまうのを心配しているからです。もし、ケガをする
ことを心配せず、一番高いところからポンと飛び降りたら、骨折をしたり、命を落として
しまったりすることもあるでしょう。このような心配は、命を守るために大切なことで
す。
ところが、何かをやろうとしているのに、できるかどうか心配だからと、できない理由
ばかり考えてあきらめるような心配は無駄です。成功している人、ツイている人はそんな
無駄なことはしません。
心配になったときは神様にお任せします。あとは今できることを精一杯楽しみながらす
るのです。そうすれば、神様がその人にとってベストなときに、ベストな道を示してくだ
さいますから、心配することはありません。
心配になったときは、「私は大丈夫」と言葉に出して言ってみましょう。これを繰り返
していけば、どんなことがあっても大丈夫だと自分を信じることができるようになりま
す。するといい波動が出るようになり、あなたの願いはどんどんかなっていきます。
私たちはみな同じ神様から生まれました。誰もが美しく光り輝く魂を持ってこの世に生
まれてくるのですが、さまざまな出来事を経験するうちに、多くの人はそのことを忘れて
しまいます。そして自分の価値を疑い、自分を信じることができなくなって悩むようにな
るのです。
日本の昔の人たちは「八百万の神」という言葉の通り、すべてのものには神様が宿って
いることを知っていました。地球、太陽、月、星、山、川、海、森、動物、植物、人間が
作ったさまざまなものなど、すべて私たち人間と同じ敬うべき存在なのです。今日から、
身の回りのあらゆる人や物に意識して笑顔を向け、感謝し、口に出して褒めましょう。
輝く太陽に向かって両手を広げ、「キレイですね」「ありがとうございます」と声をかけ
てみてください。あなたに大きなパワーを与えてくれます。普段使っているコップにも感
謝の言葉をかけ、丁寧に扱えば、格段に長持ちします。
また、お家の植物が枯れやすいという人は、地獄言葉を言っていないか注意してくださ
いね。植物にも「おはよう、キレイね」「キレイに咲いてくれて、ありがとう」というよ
うに天国言葉で話しかけてあげると、とってもよく育ち、花も長持ちするんですよ。
楽しく実践すれば、あなたのハートは美しく磨かれ、あなたの願いをかなえるための幸
せのメッセージが集まってきます。
素直に行動すれば自分らしく生きられる
本当の自分とは、どんな自分でしょうか? 今のあなたは本当の自分ではないのでしょ
うか?
家でパジャマを着てゴロゴロしているのもあなたです。お化粧やネイルをし、ワンピー
スを着てオシャレに着飾っているのも、もちろん本当のあなたです。本当の自分でいたい
からと、私がカウンセリングや講演会の際に「本当の自分を見せます」と言ってパジャマ
姿で現れたら、みなさん驚かれますよね(笑)。そんな私の話を聞きたいとは思わないで
しょう。
明るい服を着て、メイクをして皆さんの前に出ていく私も本当の自分。家でスッピンで
パジャマ姿でくつろいでいる私も本当の自分。その場その場でふさわしい自分でいればい
いのです。
本当の自分を出せているのに、「本当の自分を出せていない」と思ったとして、それで
は今のあなたは嘘の自分ですか?
いいえ、そうではありませんよね。自分に厳しくするのは、もうやめましょう。もし、
あなたが友達から「本当の自分を出せないの」と言われたら、どんな気持ちがしますか?
「この人は私に本当の自分を見せてくれていないんだ」と、寂しい気持ちになりますよ
ね。それよりも、この人の前ではここまでしか出せないけれど、たとえ六十%でも自分ら
しくいられるというのは貴重なことです。
人前だと素直に自分を出せない、思ったことを言えない。
でも、それは言い換えれば「素直な自分を出したい」ということです。それなら、素直
になるための努力をしたほうがいい。いきなりは無理でも、少しずつ素直さを出していけ
ばいいのです。
「素直な気持ちで、思ったことを言おう」。そう思ったら、素直に行動してみましょう。
本気で「素直に自分を出したい」「思ったことを伝えたい」と思っていたら、行動でき
ますよね。
もし、理想どおりの素敵な異性が目の前に現れて、素直さを出さなければ結婚できない
という状況になったら、あなたはどうしますか?
素直に行動できますよね。「できない」ことを考えるのは時間の無駄だと、まず気づく
ことが大切です。できないことではなく「できること」を考えるようにすれば、あなたの
願いはかなっていきます。
感情から出た発言は水に流そう
ある男の子が、お母さんと喧嘩をしたときのことを話してくれました。
高校の卒業式の日に親子喧嘩をしてしまいした。それでもお母さんは、せっかくのお
祝いだからとレストランに連れていってくれたのだそうです。
「卒業おめでとう」と、お母さんはもう普通に話をしてくれたのですが、彼はまだ喧嘩の
イライラが残っていて、ずっと無視を続けていました。注文した料理が来て沈黙のまま食
べ始めたのですが、あまりおいしくない。お母さんは「自分の料理と交換してあげる」と
言ってくれたのですが、意地を張ってしまい「いい!」と断ったときに、お母さんがとて
も悲しそうな顔をしたのだそうです。
彼はそのことをいつまでも忘れられなくて、大学生になった今でも「あのときはお母さ
んに酷いことをしてしまったな」「悪かったな」と思っていると言うのです。
みなさんも、若いときには気分任せにこのような態度をとってしまった経験があるかも
しれません。人生の中では後悔することもあるでしょう。
でも、言葉でも行動でも、後悔しないような生き方をしていったほうがいいですよね。
過去を変えることは絶対にできませんし、言ったことを取り消すこともできません。
それなら、感情的に言ってしまったことは「本心ではなかった」「お母さんのことが大
好き」という思いを、今、伝えたり、心の中で思ったりして、反省はしても、引きずらな
いようにしましょう。だからこそ、「もう、そのようなあやまちはしない」と、決意する
のです。
反省したことは、もう二度と繰り返さないようにすればいいのです。その男の子も何か
で怒るようなことがあったときも、そのことを思い出して穏やかになれると思うのです。
お母さんを傷つけてしまったことは取り返せないけれど、そのことのおかげで気づけてよ
かったと考えて、次からはしないこと。
みなさんは逆に、誰かから傷つくようなことを言われた経験があるかもしれません。感
情的に言われて悲しかったと思うなら、感情的に出てしまったことはもう水に流してあげ
ましょう。「あれはきっと本心ではなかったんだな」と思って、許してあげることも大事
です。許すことで、あなたも苦しみから解放されるのです。
私は師匠の斎藤一人さんから、「いつも明るき、いい考え方をするといいよ」と教わり
ました。
たとえ誰かがいやなことを言ったとしても、あの人はたぶん機嫌が悪かったんだろうな
と思って、もうそのことは考えないようにします。だって、考えていてもきりがないです
よね。
感情的な言葉は発しない。感情的に発せられた言葉は水に流してあげる。これがいつで
も人間関係を円満にする秘訣なのです。
「いつでも機嫌よく」していれば、噂にかき乱されない
噂を立てて周囲をかき乱す人って、残念ながらいますよね。ネットなどでも匿名で誹謗
中傷する人がたくさんいます。
自分が批判されるようなことをしてしまったのなら、仕方がありません。でも、やって
もいないことで、「あの人って○○らしいよ」と噂を立てる人は困りものです。そういう
人は相手にしないのが一番。そんなことで悲しむことは自分にとってもよくありません。
たとえば、私がAさんと出会うことになっていたとします。でも、BさんがAさんに
「高津先生は最近、お客さんが来ないらしいよ」とか、「意地悪なんだよ」というような噂
話をしたとしますよね。もしAさんがBさんの噂話だけを信じて私に会いに来ないのな
ら、私はもともとAさんと出会う必要はなかったのだ、と思うのです。
普通なら「なんてBさんはいやな奴だ」と腹を立てますよね。でも私はこう思います。
「人の噂を信じるような人とは、最初から神様が友達にならないようにしてくださってい
るんだ」
つまり、Aさんをブロックアウトするために、噂を立てるBさんが存在してくれている
のです。噂を立てられて、「なんで私はそんなことを言われているんだろう。本当は違う
のに‥‥‥」「Aさんと会えなくて悲しい‥‥‥」。
そんなふうに悲しむ必要はないのです。Aさんは嘘を信じてしまうような人なので、た
とえそのとき出会うことができていたとしても、嘘に惑わされていつかAさんは離れてい
くことでしょう。
もし、Aさんが、「私はそんな嘘を信じません。自分で会いに行きます」と会いに来てく
れるのなら、Aさんを大切にすればいいのです。
少し支払いが遅れただけで、「あそこの会社、倒産するらしいよ」というような噂を聞
いて取引するのをやめるような会社なら、最初から取引をしないほうがいいのです。たと
え悪い噂を聞いたとしても、「がんばっているから、うちはあの会社と取引をしたい」と
思ってくれる人を大切にすべきです。
「○○さんってすごくいやな人ですよ」。こんな噂を聞いたとしても、「そうなの」と聞き
流します。
「高津先生の文句を言っていましたよ」と言われても、「そうなんだ、きっと機嫌が悪か
ったのね」と受け流し、その人の言葉に惑わされず、自分はいつでも機嫌よくしている。
なぜなら、そんな話を私にしなければ、いやな思いをしなくてすんだのですから、私に話
した人も同罪ですよね。
また、噂話を言ってくる人をよく見ることも大切です。そういう人は誰にでもそんな噂
話をしているものです。
「職場で意地悪をされているんです」。こういう相談をよく受けます。たとえその人だけ
に意地悪をしているのだとしても、周りの人は、意地悪をする人をちゃんと見ているもの
です。
意地悪されたことで悲しんで暗い気持ちでいたりせずに、いつもニコニコして仕事を楽
しんで取り組んでいれば、周りの人はいつか分かってくれます。「あの人、いやなんで
す」と愚痴ばかり言っていたり、会社をやめてしまったりすると、本当は意地悪をされて
いた人が悪かったのではないかと思われて、いつまでも意地悪な人がのさばるようになっ
てしまいます。
いつでも自分は機嫌よくしている。そうすることで、機嫌の悪い人、意地の悪い人を避
けることができるのです。
いやな人を引き止めているのはあなたです
苦手な人、いやな人というのはどこにでもいるものです。
でも、「あの人、いやだ」と言っていたら、あなたもその人にいやなことをしているの
と同じですよね。それよりも、苦手な人に一歩あゆみ寄ってみることをおすすめします。
たとえば、発言が厳しくて苦手な先輩だけど、仕事はどんなに夜遅くなっても一生懸命
やり遂げるのはいいところだなとか、どこかいいところを探してみる。自分はその先輩の
いいところをマネして、人から嫌われないような発言を心がければ、その先輩よりも上を
いくことができますよね。苦手だった先輩が、自分が成長するために一番いいカギを持っ
ていて、あなたに教えてくれたのです。そういうふうに考えると、苦手な人も苦手ではな
くなります。
それでもいやだと思うなら、その人から離れたほうがいいでしょう。
「身内だから離れたくても離れられないんです」という嫁姑や兄弟間の仲違いの相談を
よく受けますが、たとえ家族でも接着剤でくっついているわけではありませんから、離れ
ることは可能です。それは離れる気がないだけなのです。本当にいやなら家から出ている
はずです。
もし離れることができないのなら、いやな人のいいところを見つける。そして自分はい
つも機嫌よくしていることです。
もし仲のよい人たちとの食事の際に、「あの人はいやだ、いやだ」と文句ばかり言って
いたら、友達はあなたとの食事に来たくなくなりますよね。地獄言葉ばかり話しているこ
とは、自分が嫌いな人と同じようにいやがらせをしているということなのです。
「会社にいやな人がいるんですけど、あの人はいつになったらやめてくれますか?」と、
相談に来る方もいます。でも、引き止めているのはあなたなのです。
「いやだ、いやだ」と思っていつも考えているのは、「そばにいて」と思っているのと同
じこと。私ならそれほどいやなのであれば、「もうあの人はやめたもの」と考えて、楽しん
でやっていく。いやな人に目もくれず「楽しいね」「幸せだね」と話していたら、そのい
やな人はいづらくなって自然にやめていきます。
でも、「いやだ」「いやだ」と言っているうちはやめてくれないのです。「やめればいい
のに」ということばかり考えていると、自分がやめざるを得ない状況に追い込まれてしま
うこともあります。
いやな人は相手にせず、自分はいつでも機嫌よくしていること。するといやな人はあな
たのそばから離れてくれるのです。
神様から○をもらえる生き方をしよう
いやなことをする人、苦手な人というのは、実に大事なことを教えてくれるカギを持っ
ているのです。
私もずっと昔、いやなことをされて「なんでこの人はこんなことをするんだろう」と、
斎藤一人さんに泣きながら話を聞いてもらったことがありました。一人さんに何を言われ
ても「あーだから、こうだから」と愚痴が止まらず、「どうして私に意地悪をするの?
どうして?」と言い続けていました。すると、「そんなに相手を恨むなら、わら人形でも
作れ!」と怒られてしまいました。
「でも作り方が分かりません!」と私が言うと、一人さんが笑って、ひとつ大切なことを
教えてくれました。
「その人のことを一生恨んでいてもいいよ。一生いやな奴だと思っていてもいいよ。でも
そんなことで理絵ちゃんが落ち込んだり、体調がおかしくなったりするのは間違っている
よね。もうやめなさい」
「はい」と答えて私は泣き止むと、一人さんは続けて言いました。
「この世には自分と神様しかいないと思いなさい。何かされたことは神様が出してくれた
問題なのだから、この問題にどう答えたら神様は○をくれるかなと考えるんだよ」
本当にそうだなと思い、もう私は何も言い返すことができませんでした。
いやだなと思う人はいるけれど、それは神様が出してくれた問題で、「どうしてら神様
から○をもらえるかな」と考えると、すべての人間関係がうまくいくのです。
たとえば、道を歩いていてぶつかっても謝らない人がいます。
「いやなやつだ! 転んでしまえ」と、腹が立って思うことってありますよね。でも、そ
の答えは神様から○をもらうことはできないでしょう。すると何が起こるかというと、神
様からの×(罰)が与えられ、自分が転んでしまうのです。
そうではなくて、「あの人はきっといやなことがあったんだな。幸せになってね」、こう
思うことが、神様から○をもらえる答えです。すると神様は次からそういういやな人をあ
なたの前に現さなくなるのです。
知らないうちによくないことをしていやな因果を積むのはいやですよね。いつでも神様
から○をもらえるような生き方をしていれば、あなたの周りのいやなことを取り除き、願
いがかなうように神様が応援してくださいます。
いやなことに出合ったときは、「これは神様からの問題なんだ」ということを思い出し
てくださいね。
「働かない夫を働かせたい」「浮気をやめさせたい」。
どんなに願っても他人は変えられない
「夫の浮気をやめさせたいんです」と言っていた方がいました。
旦那さんが「自分の浮気癖をなおしたいんです」と願うのなら、アドバイスをすること
はできます。でも、奥さんから「夫の浮気をやめさせたい」と相談されたとき、「その前
にあなたがちゃんとしなくてはいけませんよ」と私は答えました。
その人は、自分はボサボサの頭で化粧もせずに旦那さんの悪口ばかり言っているんで
す。
たとえ奥さんがすごい美人でも、男性が新しい女性に目移りするのはなぜでしょう?
どんなに美人な奥さんでも、家で暴言ばかり吐いていたら、旦那さんが居心地が悪くな
って他の女性のところに逃げてしまうのも無理はありません。
浮気される側にも、浮気される理由があるのです。
一方で、旦那さんが浮気をしていないのに、浮気をしていると疑っている人もたくさん
います。「男は浮気するもの」と思い込んで、本当は浮気などしていないのに疑ってばか
りいるから、旦那さんのほうも、「男は浮気をするものだから」と開き直って浮気をして
しまうのです。
「働かない夫を働かせたい」。これも他人のことですよね。「定職について安定した収入を
稼いでほしい」「仕事にもっと情熱を注いでほしい」。奥さんの思い通りにしたいだけです
よね。だから、働かないような旦那さんと出会ってしまうのです。
本当にいやならば、「働かない夫を働かせたい」と願うよりも、自分でしっかりと働い
てお金をためて、この家から出ていこう、というように考えていったほうが自分の思い通
りに生きることができます。
どんな願いでもかなえてくれるやさしい神様でも、あなたが文句を言っている他人を変
えたいという願いを聞き届けることはできないのです。
素直に人の話を聞いてあげると、
素直になれる友達ができる
「友達がほしい」と言う人に、「どんな人とでも友達になりたいの?」と私は必ず聞きま
す。
今、「公園デビュー」という言葉まであるように、お母さんが子どもを近所の公園に連
れていき、そこに集まってくる他の親子の仲間入りをすることは、大きな難関となってい
ます。もし子ども同士仲良くできなければ遊びの輪からつまはじきにされてしまうだけで
なく、お母さんたちの輪にも加われないと、お母さん自身が憂鬱になってしまうという現
状があります。
私には子どもはいませんが、もし子どもと公園に行くなら、まずは自分たちで楽しんで
くることを一番に考えます。お母さんたちの仲間に入らなければいけないのであれば、そ
こはどういう人たちの集まりなのかを見極めて付き合ったほうがいいですよね。子育ての
愚痴、夫への不満、姑の悪口など、地獄言葉ばかり言っている人たちの仲間には入りたく
ありません。地獄言葉を言っている人のところには、また地獄言葉を言わなければいけな
いような悪いことしか起こらないからです。
心を許せる友達というのは、不平不満や愚痴を言いあう関係ではありません。自分が素
直になれる友達を作りたいのであれば、まず自分から素直に相手の話を聞いてあげましょ
う。そうすれば、自然に素直になれる友達が周りにできるはずです。
今まで友達がいなかったという人が、カウンセリングルームに来たお客さん同士で友達
になって帰っていくことが、ここではよくあります。自分が輝いていれば、友達だって自
然にできるのです。
人脈を広げるより、
自分の波長をいつも高めておこう
願いをかなえている人に共通するのが、応援してくれる人が多いということではないで
しょうか。あなたのことを応援してくれる人が多いほど、会いたい人に会わせてくれた
り、欲しい情報をもらえたり、願いがかないやすくなります。人脈はとっても大切です。
しかし、人脈を作りたいからといって、興味もない勉強会やネット上のコミュニティに
参加したり、名刺をたくさん配ったりすることに躍起になっている人がいます。
残念なことに自分の欲や、うわべだけの付き合いになってしまうことが多いのです。
「本当に価値のある人脈」というのは、何かあったときに協力しあうことができ、損得勘
定抜きで付き合える、心のつながった関係だと私は思います。
あなたはどれだけの人と心がつながっていますか?
その人の成功を、心から祈ることができる相手はどのくらいいますか?
どんなにたくさんの知り合いがいても、いざというときに支えあえなければ、それは人
脈とは言えません。人脈は自然にできていくものです。あなたがいつも素直に、幸せにし
ていれば勝手にどんどん幸せな人脈が広がっていきます。
「類は友を呼ぶ」と昔から言われるように、あなたが幸せでいると幸せな波動を持った人
としか出会いません。詐欺師がいると必ず騙される人がいる。それは必ずセットで現れま
す。騙すのは悪いことですが、騙されるほうにも問題があるのです。
自分がよいことをしていると、よい人と出会うことができます。人は目には見えない波
長を出しているのです。波長があえば仲良くできます。波長が同じ人とは同じところにい
られますが、波長が異なるといづらくなります。ですから、常に自分の波長を高めておけ
ば、波長の低い人が来たらあの人とはあわないと気づくことができますよね。高いほうに
波長をあわせたほうが幸せでいられます。
たとえば自分は五のレベルでいたいと思って過ごしていると、同じような五のレベルの
波長の人がどんどん集まってきます。そこにもし、波長の低い一のレベルの人が来たら、
あの人とはあわないねということになり、波長の低い人はその輪の中に入ってくることは
できないのです。
「人脈を広げたい」ということにばかり目がいくと、地獄言葉ばかり言ったり、波長の低
いいやな人とも付き合わなければいけなくなってしまうので、騙されやすくなったり、い
やな思いをしたりするのです。
人脈を広げるよりも、自分の波長をいつも高めておくことを意識していれば、あなたの
周りには楽しくて幸せな人たちが集まることでしょう。
波長の違う人が離れていくのは仕方のないこと
新プロジェクト立ち上げのために東京と九州を行き来している社長さんが、相談に来ま
した。
「働かない部下がいるんですけど、どうしたらいいでしょうか?」
自分が社長であるにもかかわらず、本当に優しい人です。
「社長はあなたですよ。そんな人はやめさせたらどうですか」。そう私は答えました。
働かない部下というのは、役職付きのベテラン社員のことでした。部下を持つ立場の人
間です。九州での新プロジェクトのために社長はかかりきりになっているのですが、東京
で問題ばかり起こるために集中できず、疲れ果てている様子です。
働かない部下は、新人のころから社長が可愛がって育ててきた人なので、どうにか「変
わってほしい」と訴えます。
「今のままでは絶対相手は変わりませんよ。それよりも、一生懸命にやっている他の人た
ちに目を向けてください」
社長は九州に行っている間、その部下に東京の事務所すべてを任せています。社長がい
る間は問題ないのですが、いないときは「自分は社長に気に入られているからいいんだ」
と、働きもせず横暴な態度をとっているそうです。
このままでは東京の他の社員たちがやめてしまう可能性があります。一生懸命働いてく
れるいい人たちがやめてしまっては元も子もありません。
「働かない部下を早くやめさせるべきです」と私は告げました。
「やめさせたら、東京の事務所はどうすればいいんですか?」と言うので、こう伝えまし
た。「やめさせても、ちゃんと働いてくれる人が現れるから大丈夫ですよ」
新プロジェクトをやると決めたら、そのことに集中できる環境を作らなくてはいけませ
ん。働かない部下はますます社長を困らせるだけです。その社長は本当にやさしいので、
「でも‥‥‥」と考えあぐねていました。
社長は今まで仕事ばかりでお休みもろくにとっていません。私のところに夫婦でカウン
セリングに来ることが唯一の息抜きになっています。
「こうして夫婦でカウンセリングに来られる時間が大事だということが分かりましたよ
ね。
でもそれが分かったのは、自分がいなくても東京や九州でがんばって働いてくれる社員
がいるおかげです。そのことにあなた自身も気づけたから、ゆっくり休めるんですよね。
そうでなければここに来ても仕事のことが気になって、家族とはのんびりしていられなく
なり家族の関係もおかしくなってしまいます。あなたは今、幸せなほうに向かっています
よね。
働かない部下をどうにかしたいという気持ちも分かりますが、波長の違う人が離れてい
ってしまうのは仕方のないこと。自分がいなくなったら倒れてしまうような部下ではダメ
なのです」
私はこうアドバイスをしました。そして、東京で長く勤めているあるひとりの男性が一
生懸命に働いている姿を感じたので、「長年勤めてくれている四十代ぐらいの男性はとて
もいい人です。きっとその人に東京を任せていけるようになりますよ。働かない部長は漁
業をやったほうがいいと思います」と伝えると、「先生、なんで分かるんですか?」と、
とても驚いていました。
実はその部下の実家は漁師なのだそうです。そこで私は、「『漁師のほうがあなたに向い
ていますよ』と言ってあげることが、その人にとってもいいかもしれませんよ」と社長に
アドバイスをしたのです。たまたまですが、この社長の会社では、漁業と提携してやって
いる仕事もあるとのこと。ならば、部下に実家に戻るようにすすめてあげる。そうして業
務提携してあげればいいだけのことです。「ここにいていやなことをやっていくよりも、
あなたの進むべき道は他にありますよ」と、ちゃんと言ってあげることも大事です。
その人にとって今の環境は楽なので都合がいいわけです。「あの件はどうなってい
る?」と尋ねると、「あっ、それは誰々に頼んでいます」と、自分は楽をして下の人たち
ばかりを一生懸命に働かせている。社長が東京にいるときだけ一生懸命に働いているふり
をするのだそうです。すべて部下に負担がかかっているのなら、この人に頼まなくてもい
いわけです。役職も付いているのでお給料はその人に一番多く支払っています。
「たとえば五十万円その人に払っているなら、東京にいる残り十人の社員で割って、ひと
り五万円ずつ給料を上げてあげたらもっと喜んで働いてくれますよね。たとえ人数がひと
り減って忙しくなったとしても、もっと楽しく一生懸命に働いてくれることでしょう。文
句も絶対に出ないと思いますよ」と、アドバイスしました。
社長が一生懸命その部下にしてあげても、神様はその部下にお金を与えません。漁業は
自分が働かなければお金にはなりませんから、自分がサボっていたら収入はなくなってし
まいます。ちゃんと働いてお金を稼ぐように、神様が仕向けてくださっているのです。
「自分も本当はやめさせたかったんです。でも、誰かにそれを言ってほしかっただけなん
です。先生ありがとうございます」
「その人、お金に困っていると思いますよ」と言うと、本当に借金を抱えているとのこと
でした。五十万円の給料をあげても貯金ができないどころか、借金を抱えている。神様に
好かれるように、今あるところでちゃんとやっていったらよくなるのに、ある程度までは
やっていたけれど、そこからはやらないとなったら、ちゃんと働くところに戻りなさいと
いう神様のはからいなのです。
可愛がっていた部下をやめさせなければいけないのはつらいことです。でも、それに甘
えて働かないような部下なら仕方がありません。その人にとっても、一生懸命働くべきと
ころでがんばっていったほうが幸せになれるのですから。
「あなたと出会えてよかった」
と言われる人になろう
私は斎藤一人さんから人間関係についてこう教わりました。
「人生というのは川の流れみたいなものなんだよ」
つまり、こういうことです。
川に木の枝が流れているとします。流れているとたまに他の枝にひっかかって一緒に流
れる場所があります。川はずっと流れているので、一緒に流れ続けることもあれば、離れ
ていってしまうこともある。岸で止まっているときもあれば、離れ離れになってまた流れ
出すこともある。川は流れていますからもう後ろには戻れません。どんどん流れ続けて、
やがて海に出ていくのです。
「この枝を人間に置き換えてごらん」と、一人さんは言います。
生きていく中で、友達や恋人に出会うことがあります。離れてしまうこともあれば、ず
っと一緒に生き続ける人もいる。一緒のままの人は縁がある人。けれど離れてしまった場
合、そのことを心配する必要はありません。振り返って後戻りしようと思っても、時間は
流れ続けているので、もう後戻りできません。共に向上し、共に過ごせる仲間と一緒にい
ればいいのです。それなのに、あの人はなんであそこで止まってしまったんだろう、と思
っても仕方がありません。それより自分にとっても、相手にとっても「いい出会いだっ
た」と言いあえるような関係でいることが大切なのです。そうするとまた流れに沿って、
その人と会えるかもしれません。
たとえばAさんがケーキ店を経営することになったとします。Bさんに「一緒にお店を
やってほしい」と誘い、お店はとても繁盛しています。けれど、Bさんが結婚するので会
社をやめることになったとき、Aさんが「ひとりではできない」と慌てたり、お店を潰し
てしまったりするようではダメです。ひとりでお店を続けていけないようでは、最初から
その力がAさんにはなかったということなのです。お互い離れても、幸せを願いあい、そ
れぞれが違う場所で立っていられるような、自立した関係でなければ幸せとはいえませ
ん。
結婚生活も同じです。相手とうまくいかなくなったり、相手が亡くなったりしたとき
に、悲しんで毎日落ち込んで生活するようでは向上しませんよね。出会ったことに感謝し
て生きていくことが大切なのです。
夫婦がそれぞれ違う会社の社長をやっているような、成功夫婦もよくいらっしゃいま
す。たとえ夫の仕事がうまくいかなくなったとしても、「あなたなら大丈夫よ。業績が回
復するまであなたひとりぐらい私が食べさせてあげるわよ!」と奥さんが言えるようなご
夫婦ほど、奥さんは前向きに自分の仕事を楽しんでいます。だからこそ夫の仕事もうまく
いくし、自分の仕事もうまくいくのです。それぐらい自立している奥さんのほうが、夫婦
関係もうまくいっています。
人はみんなそれぞれ自分の人生で生まれてきているのですから、自分がまず幸せに一本
立ちする。夫婦でも、親子でも、友達でも。「あなたと出会えてよかった」とお互い言い
あえる、そんな関係を築けたら、素敵な人生ですよね。
「自分を信じる」ことで、信頼関係ができる
上司や同僚と信頼関係を作るにはどうしたらいいと思いますか?
それはまず、「自分を信じる」ことです。自分を信じて一生懸命に楽しく笑顔で仕事を
していたら、上司や同僚もあなたのことを信じてくれます。けれども否定ばかりして自分
が自分のことを信じられないようなら、周りの人たちと信頼関係を作ることなどできない
のです。
あなたが上司や同僚を疑っていたら、彼らもあなたのことを信じてくれません。あなた
が彼らを信じるからこそ、必ずいい仕事ができると思って信頼してくれるのです。
人間関係は築かれるものではなく、「自分が築いていくもの」ではないでしょうか。自
分を築いて高めていくと、それにあった人たちと出会います。無理やり会いたい人に会う
ために何かをしなきゃとか、手回ししなければいけないような関係なら、やがて砂のお城
のように崩れてしまいます。
相手が十個築いていたら、自分も十個築かなければその人とは出会えないのです。上司
のようになりたいのであれば、どうやって仕事をしているのかを観察して経験や人に対す
るやさしさを学び、自分も一つひとつ積み上げていく。
いやなものを積み上げていやな人間関係を築いていくより、いいものを積み上げていい
人たちと出会い、いい人間関係ができたほうが幸せですよね。
同じ職場にいる人やチームを組んでいる人たちは、積み上げたものがある程度一致して
仕事に取り組んでいるから、一緒に楽しく働いているのです。同じものを築けていなけれ
ば、職場にいても嫌われていることでしょう。怒鳴ったり、地獄言葉ばかり言ったりする
上司がいたら、うわべだけは付き合っていても、本当に信頼しているかというと、そうで
はありませんよね。
誰かと比べるよりも自分のできることをひとつずつ築き上げていき、自分にあう人たち
と出会っていったほうがいい。そのためには幸せになるための努力、学ぶ姿勢、楽しくす
る工夫なども必要です。いやな人と人間関係を築いていくことほど、苦痛なことはないで
すよね。
また、「職場の人たちには、自分から打ち解けたり、仲良くしたりしなければいけない
のでしょうか?」といった質問をされることもあります。自分が打ち解けようと努力した
ければ、したほうがいいでしょう。でも、本当はしたくないのにしなければいけないとい
うことは絶対にないのです。
逆に、同僚があなたと「仲良くしたい」と思っても、あなたが同僚のことを嫌っていた
としたら、難しいですよね。それでも同僚が「あなたと絶対仲良くしたい。離れたくな
い」と言ったら、それは強制です。あなたはもっといやな気持ちになりますよね。その同
僚は人にいやな思いをさせていることになるのです。
「職場の人たちと仲良くなりたい」と思っても、職場の人とは仲良くなりたくない人、仕
事が終わったら早く家に帰りたい人もいます。それなのに、「今日、飲みに行こう」と誘
って、最初は誘いにのってくれたとしても、毎日誘われていたら、いやになってしまいま
す。「相手にも自分と同じように思ってもらいたい」「相手にもこうしてほしい」というの
は間違った考えです。
人間関係は「人にいやなことをしない」、これが基本です。これさえ守っていれば、幸
せな人間関係を育めるのです。
何かに悩まされているときは、わが身を振り返る
「因果応報」という言葉があるように、いいことをすればいいことが起こり、悪いことを
すれば悪いことが起こるとされています。いやなことが起きたときは、何か自分はいやな
ことをしていないか振り返って見ることも大切です。
あるとき、「近所の人の騒ぎ声や犬の鳴き声、車の騒音がうるさくて眠れない」という
相談者がやってきました。
その人をカウンセリングしていると、自分の部下に毎日グダグダと文句を言っている姿
が感じられました。どうやら、イライラしてわざとイジメている様子です。一見、近所の
騒音と部下へのイジメは関係ないように思えますが、何かで人にいやなことをしている
と、違うところで返ってくるのです。
「あなたが文句を言い続けていることで部下が夜、眠れないことを知っていますか?」
こう私が尋ねると、「いや、分かりません」という答えが返ってきました。
「明日、部下を飲みに連れていって、最近よく眠れているか聞いてごらんなさい。絶対、
眠れていないと言いますから、そうしたら、自分が原因だなと思って部下を労ってあげて
くださいね」とアドバイスしました。
翌日、相談者が部下を飲みに誘うと、その部下は怒られると思ったのか「はい」と返事
はするものの、憂鬱そうな顔をしたそうです。飲んでいるときも、部下がいつ何を言われ
るのかドキドキしている様子が手に取るように分かります。
「これから忙しくなって体力勝負になるけど、最近眠れているか?」と部下に尋ねたそう
です。案の定返ってきた答えは、
「最近眠れなくて‥‥‥」
あっ、これは先生が言っていた言葉だと思い、私のアドバイスのとおりやさしい言葉を
かけたそうです。
「いつもお前はよくがんばって仕事してるよ。今日はごちそうするから、いっぱい食べて
栄養をつけてくれ」
部下は目をまん丸にして「はい!」と答え、その日は和やかな雰囲気でお酒を楽しめた
そうです。相談者の男性は飲んで帰ったせいもあって、もう眠たくて眠たくて、騒音も気
にならず、ぐっすり朝まで眠ることができました。朝起きたとき、気分はとてもスッキリ
していて、そういえば夜中に犬の鳴く声が気にならなかったなと思いながら、会社に着く
と部下がニコニコした顔でもう働いています。
いつもその部下は遅刻してくるので、遅刻を怒ることから一日が始まっていたそうなの
です。でも、今日は早く来ている。「昨日遅かったのに、えらいな」と声をかけると「昨
日はごちそうさまでした!」と笑顔で挨拶をしてきたそうです。いつもは居眠りやミスば
かりしていた部下は、見違えるほどイキイキと働いていて、その日は一度も叱ることがな
かったそうです。
本当に不思議だなと思いながら相談者は家に帰りましたが、いつもは気になって眠れな
かった騒音がまったく気にならない。たしかに犬は鳴いているけれど、イライラしたり、
うるさいと思ったりすることが、その日以来パッタリとなくなったのだそうです。
結局、すべては自分次第なのです。自分が部下にイライラをぶつけたり怒鳴ったりして
いるときは、人にいやなものを出しているので、それが自分に返ってきて近所の騒音がい
やなものとして聞こえてしまう。けれど、自分がいいことをして、いいものを発信してい
けば、いやなものは聞こえなくなり、いい音楽が聴けたり、テレビを観ていてもいい情報
が入ってきたり、いいことを受け取ることができる。よきほうに目を向けるようになった
ので、いやなことに目が向かなくなったのです。
たとえば、何かに足の小指をぶつけたりすると飛び上がるほどジンジン傷みますよね。
でも、そのときに運命の人と出会ったら、痛みなんて吹っ飛んで気にならなくなるどころ
か、幸せな気持ちで満たされますよね(笑)。それと同じなんです。
いやなものにあわせるのではなく、よきものにあわせる。苦しみや悲しみに目を向けて
心をあわせると、悲しみしか感じられなくなってしまいます。そうではなくて、喜びや幸
せや楽しさに目をあわせると、その喜びごとや幸せなことしか見えなくなり、人生は幸せ
で満たされるのです。
「困ったことは起こらない」
と思っているから起こらない
「困ったことは起こらない」
これは師匠である斎藤一人さんの大切な教えです。本当にそうだなと思います。
心配性な人は、「先生、気のすすまない食事会に誘われた場合はどうすればいいです
か?」と、まだ起こってもいないことを考えて困っています。
でも、私は絶対そういう「困ったことは起こらない」と思っているから、私には起こら
ない。心配している人は、そういう場合があると思っているから困ったことを呼び寄せて
しまうのです。
「困ったことは起こらない」と考えるようになると、現実が変わります。
気のすすまない食事会に誘われてから、参加するかしないか決めればいいことですよ
ね。誘われてもいやだなと思ったら行かなければいいのです。困ったことは何も起きてい
ないのです。それなのに、「気のすすまないところから誘いが来たらどうしよう」と思っ
ているから、本当に誘いが来てしまうのです。
気のすすまない食事会にどうしても参加しなければいけなくなったのなら、「今日は楽
しんで飲んでこよう」とか、「参加者のいいところを見つけよう」と思えばいいだけで
す。私がもしも、人の悪口や噂話など、地獄言葉ばかり言う人たちが集まる食事会に参加
してしまったら、いい勉強になったなと思うようにしています。
もし「地獄言葉ばかり言う人たちでいやだったな」と、帰ってきて家族に愚痴を言うよ
うなら、その人たちと同じになってしまいます。それよりも、「私は幸せでよかった」と
機嫌よくしていればいいのです。
本当に困ったことが起きたとすれば、それは学びのときです。
神様はやさしいので、決してあなたに苦労を与えようとはしません。 困ったことばかり
起こっているなら、それは神様が「幸せになるためのやり方が間違っていますよ」という
ことを教えてくださっているのです。
「困ったことは起こらない」
このことに気づくと、あなたの魂のステップが向上します。
幸せなことに目を向けると、
幸せだけがやってくる
私はキレイな花が大好きです。
どんなにキレイな花でも、いつかは枯れてしまいます。でも、「キレイな花だな」と思
って、キレイに咲いているときを楽しんで、枯れることを考えません。そして枯れたら取
り替える。どちらに意識を向けているのが幸せかというと、キレイなものに向けていたほ
うが断然いいですよね。
「キレイな色だな」「いい香りだな」「一枚一枚の花びらの重なりが美しいな」と、キレイ
なほうに目を向けていけば、幸せな気持ちがどんどん膨らんでいくのです。
同じように、人生もいつもいいことばかり続くわけではありません。仕事でミスをして
しまう日もあれば、病気になってしまうこともあるでしょう。でも、いつでも幸せなこと
に目を向けていれば、いやなことは気にならなくなるのです。
それなのに、「仕事がつらい」「あの人がいやだ」と苦しみや悲しみ、不平不満ばかりに
目を向けていると、「会社に行きたくない」「会社をやめたい」「あの人がいなくなればい
いのに」と、悲しみばかりが膨らんでしまうのです。
悲しみの波動は悲しみの仲間を連れてあなたのところにやってきます。「つらい」「つら
い」と地獄言葉を言い続けていると、つらいことばかりが次々と起こります。つらいこと
が起きたときこそ、天国言葉でよい波動に変えましょう。
「転んで足を捻挫したけれど、命までなくならなくてよかった」
「あの仕事は大変だったけど、成長できました。ありがとうございます」
「あの人は言うことが厳しいけれど、私のことを伸ばしてくれようとしているんだな、あ
りがとうございます」
こう思っていれば、もう悲しいことやつらいことはあなたの身に起こらなくなります。
つらいときこそ、天国言葉を忘れないようにしましょうね。
卵かけごはんでも、「食べられて幸せ!」
たとえば、ホテルの豪華ランチを食べに行くために、毎日卵かけごはんを食べている人
が二人いたとします。
ひとりは、「いつかあそこの豪華ランチを食べに行くんだ」と楽しい気持ちで、卵かけ
ごはんをおいしく食べています。もうひとりは、「あー、卵かけごはんしか食べられない
なんて、悲しい」と思いながら食べています。
どちらが豪華ランチをおいしく食べられたと思いますか?
それは、前者の卵かけごはんを食べながら、豪華ランチを楽しみにしていた人です。楽
しみにしていた気持ちもあいまって、実際に行ったときには「すごくおいしかった!」と
なるはずです。
「卵かけごはんしか食べられない」と思って暗い気持ちで食べていた人は、たとえ豪華ラ
ンチを食べに行ったとしても、「あそこまで我慢したから‥‥‥」というように楽しみを苦
労に変えてしまうのです。食べ終わった後にも、「あー、こんなにお金を使ってしまっ
た」とか、「思ったよりたいしたことなかった」などと思ってしまうことでしょう。とて
もおいしいランチを食べたのに、もったいないですよね。
受け取り方の違いで、人は幸せにも不幸にもなります。
卵かけごはんでも「幸せ」と思って食べていると、幸せな気持ちで心は満たされます。
だって昔の人からすれば、卵かけごはんは一番のごちそうだったんですから。
結局、卵かけごはんがいい、悪いではなく、その人の「思い」なんですよね。それなら
「とってもおいしい卵かけごはん」「卵かけごはんを食べられて幸せ」というように、素直
においしさや気持ちを味わえる人は、節約をして食べに行ったランチでもおいしく、楽し
んで食べられます。
でも、「卵かけごはんしか食べられない」「本当は卵かけごはんなんか食べたくない」と
思いながら食べていると、せっかく豪華なおいしいランチを食べに行っても、「あれだけ
苦しい思いをしたから」「また楽しむためには苦しい思いをしなければいけない」という
ことがインプットされてしまうのです。
「卵かけごはんを楽しみながら、豪華なおいしいランチも食べられた」と、いいことをい
っぱい考えていくと、すべてが幸せになるのです。それはまるでオセロゲームで黒に圧倒
されていたのが、白と白ではさむことによって間の黒がすべて白になるように、幸せと幸
せではさめば、つらいこともすべて幸せに変わるのです!
会社の夜中まで続く会議も「夕飯にあれを食べたかったのに‥‥‥」と暗い気持ちでや
っていては、いい案も浮かばず会議自体がダメになってしまいます。それよりも、お菓子
をつまみながら、「このチョコレートおいしいね」と楽しみながら明るい気持ちで取り組
んだほうが、いいアイデアが浮かんでいい結果が出てきます。
何事も楽しみながら行くこと、楽しみに変える工夫が大切です。
願いがかなうまでの時間も楽しみながら、幸せになる工夫をして待つことも大事、「ま
だ来ない」「まだ来ない」と心配しつつ待っていては、いいことが起こっても見過ごして
しまいます。
願いがいつかなうか分からないのなら、いつでも受け取れる状態にしておいたほうがい
いですよね。
どんなときも「笑顔」で徳を積もう
大人気の某テーマパークが私は大好きです。遊びに行く前からウキウキと楽しい気分に
なり、家に帰ってきてからも「とても勉強になったな」と思えるのです。
テーマパークのキャストは、一人ひとりが満面の笑顔でとても楽しんで働いていますよ
ね。あのサービスは感動ものです。本当にすごいことだなと思うのです。
だって、もしかしたら前日に何かいやなことがあったかもしれません。それでも一生懸
命に笑顔でお客様を楽しませている。その切り替えのすばらしさは神ごとだなと思うので
す。それだけでも徳を積んでいます。だからきっと、いやなことも起こらないことでしょ
う。
「徳を積む」とは、相手の気持ちを明るく照らしたり、癒して軽くしたりすることです。
人に喜ばれることをすると、どんどん徳が身についていきます。それは決して難しいこと
ではありません。あなたが笑顔でいるだけで、毎日の生活の中で徳を積むことができるの
です。笑顔の人を見ているだけで、人は明るい気持ちになり、癒されます。
その反対に、いつも眉間にしわをよせて暗い顔をしている人は、人の心を暗くし、重た
くします。それだけで徳がなくなってしまいますから、気をつけなくてはいけません。
仕事も恋も人間関係もすべて、テクニックだけではうまくいきません。どうしたら相手
が喜んでくれるか、みんなの生活が便利になるか、相手が癒されるか、相手の心を軽くし
てあげられるかを考えていくことが大切です。
人の足を引っ張って蹴落とそうが、商品を偽装しようが、自分が得をすればいい?
それではたとえ一時は得をしても、人に喜ばれないこと、役に立たないことばかりして
徳がない人に幸せは続きません。
笑顔で一生懸命にがんばっている人を見ると応援しようとか、この商品を買おうとか、
この人から買いたいと思いますよね。徳を積めばどんどんいいことが起きます。
「どんなときでも笑顔で、お客様をもてなす」
これはあなたの仕事にも言えることだと思います。客室乗務員であれ、学校の先生であ
れ、看護師さんであれ、事務の仕事であれ、スーパーのレジ打ちの仕事であれ。たとえ昨
日いやなことがあっても、今日は機嫌よく仕事をする。笑顔でお客様にサービスをする。
笑顔でいることは、幸せの種まきのようなものです。見返りを期待せず、「喜んでいた
だこう」という気持ちが大切です。種をまけば、花が咲き、果実が実るように、やがて幸
せがあなたの元に訪れます。
まずは、いつも笑顔で幸せの種をまきましょう。あなたの笑顔が誰かの幸せにつながり
ますよ。
楽しんでいるところに、楽しみごとはやってくる
スタッフと一緒に、講演会でプレゼントするお守りを作っていたときのことです。私が
楽しいことを言って笑っているのを見て「先生、真剣に作ってください」というスタッフ
に、私はこう答えました。
「幸せになるためのお守りなのに、私たちが笑って幸せだと思って作らなくてどうする
の? 私たちが幸せに作っているから、これを持った人も幸せになれるのよ」
多くの人は「苦労したらよくなる」「まじめは美徳である」と考えているようです。
本当にそうでしょうか? もちろんまじめに一生懸命働くことは大切です。けれど、苦
労や我慢をしていても幸せにはなれません。暗い顔で、つらい思いをしながら真剣に真剣
にと働いているのでは、苦しみごとしか生まれないのです。
物事をうまく進まなかったり、成功しなかったりするのは、「そのやり方は間違ってい
ますよ」と神様が教えてくださっているサインです。そんなときは、苦労や我慢をやめま
しょう。笑顔で楽しみながら働いていれば、仕事がうまくいき、幸せがやってきます。
必要のない苦労を背負って暗い顔をしていてはいけません。笑顔で楽しんでいるところ
に、楽しみごとはやってくるのです。
できないことより、できることを考えよう
「ラーメン屋をやりたいけれど、できないんです」
こう言う人は、ラーメン屋を始める気がない人です。「できない」と言う時点で、「それ
は自分にとって必要のないことなのですから、やめたほうがいいですよ」と私はアドバイ
スします。
本気で思っていたら、行動に移しますよね。たとえばお店を出すための資金をためると
か、他のお店を食べ歩いて味を研究するとか、何らかの行動をしているはずです。「でき
ない」と言う人は、「今の仕事が落ち着かないから」「妻に反対されているから」というよ
うに、できない理由ばかり考えているのです。
たとえば、「人前では素直に自分を出せない」「思ったことを言えない」というのは、本
当は「素直になりたい」のですよね。いきなり自分を変えることは難しいかもしれません
が、「自分から挨拶をしよう」「自分の意見をひとつだけでも言おう」というように、でき
ることを少しずつやっていけばいいのです。
もし、目の前に運命の人が現れて、「素直に自分を出さなければ結婚できませんよ」と
言われたら、きっと自分を出すことができますよね。
「できない」のではありません、「できない理由」を言っているだけなのです。できない
理由を考えるより、ひとつでも行動すれば、運命は必ず動き出します。
あなたの名前は
親から贈られた初めてのプレゼント
「画数を見てもらったら、私は幸せになれない運命と言われました」
泣きそうな顔で話すその人に、私はこう答えました。
「名前は親があなたに初めてくれたプレゼントですから、大事にしてくださいね」
すると相談者の顔が一気に晴れやかになりました。
画数はその人の運勢に関係ないと私は思っているので、自分の画数を調べたことはあり
ません。画数を調べたとしても、その答えに書かれている以上に今の私の運勢はいいと確
信しています。
私の「理絵」という名前は、父と母から一文字ずつもらって名づけられました。この理
恵という名前をとても大切に思い、「高津理絵という名前で幸せになる」と決めているの
で、カウンセラーとしての仕事も本名で行っています。
名前をつけるとき、親はどれほど一生懸命考えていると思いますか? お子さんを持っ
ている方なら、その思いは十分分かりますよね。
私の弟には子どもがいるのですが、名前を決める際「お姉ちゃん、この名前はどう?」
「決められないからお姉ちゃんが決めて」と、頭を抱えて相談されたことがありました。
どんな名前を提案してのどうどうめぐりで、なかなか決まりません。でも、弟や奥さんは
幸せそうに夜中まで考えています。
私はどんな名前でも幸せになれると思っているので、気持ちをリラックスさせるため
に、近くにみかんがあったので「みかんちゃんはどう?」なんて言ったら、「適当に決め
ないで!」と怒られてしまいました(笑)。それぐらい親というのは、子どものために必
死に名前を考えるのです。
あなたの幸不幸に画数は関係ありません。人は自分の名前を書くより、呼ばれることの
ほうが多いですよね。たとえば、“さき”という名前はキツい印象だと気にする人がいる
のですが、それなら「さきちゃん」と呼ばれるようにすればいいだけですよね。
私の理絵という名前は「りえ」と呼ぶと力が入ってキツく感じるからと、母親は小さい
ころから「りえちゃん」とか、呼び捨てにするときは「りえこ」というように呼んでいま
した。「だから、あなたはとってもやさしいのよ」と言われて、親からもらった名前を大
事にしようと思ったのです。
どうしても自分の名前がいやなら、改名してもいいでしょう。でも、あなたが幸せにな
ることを願って名前をつけてくれたのですから、「画数が悪いから不幸なんだ」という考
え方をもとに改名してはいけません。そういう考え方自体に問題があるのであって、名前
自体に幸不幸はないのです。
芸能人が改名して成功するケースもあります。でも、それはもともとその人にスター性
があっただけ、同じ名前をつけたら、別の人が売れるかといったら、そうではないですよ
ね。
同じように、生年月日も幸不幸に関係ありません。
「大殺界なので何もかもうまくいかないんです」と相談されたことがあるのですが、その
方と私の生年月日は一日違い、生まれ年も同じです。私は飛躍したよい年でしたから、考
え方の違いなのです。名前も同じ「理絵」さんという方も相談にこられて、「『恵』という
漢字が使われていないから、自分は恵まれていないんだ」とずっと思っていたそうなので
すが、私の本で同じ名前を見つけて、「考え方の違いなんだ」ということに気づいてか
ら、いいことばかり続いているそうです。
もし「あなたの画数は悪いよ」と言われたとしても、「私が幸せになって、あの名前は
すごく出世するよとか、幸せになるよと言わせてみせよう」と思えばいいのです。
私も占いが大好きなので、自分の星座の今日の運勢ランキングを見ることがあります
が、たとえ自分の星座が最下位だとしても、一位の星座の占い結果を自分の星座の占い結
果と思うようにしてしまいます。そういうふうにしていったほうが、楽しいですし、幸せ
になれますよね。
スピリチュアルや占いは楽しみながら
占いやスピリチュアルなことというのは、楽しんでやれば楽しい結果が出ます。ところ
が、あまりに真剣になりすぎると必要なことが感じ取れなかったり、素直な気持ちでいな
いと受け取れなかったり、周りに迷惑をかけてしまったりします。
大切なのは、「仕事がうまくいったら嬉しいな」というような素直な気持ちで願うこと
です。おみくじなどには注意事項が書かれてありますが、素直に願えばそこに書かれたメ
ッセージを受け取ることができます。しかし、真剣に願いすぎると書かれている注意事項
が怖くなって、ピクピクしてしまうのです。
注意事項が書かれていたら、「このことに気をつけてがんばろう」と、明るい気持ちで
素直に受け取ること。明るさからは、必ず明るさが生まれるのです。もし悪いことが書か
れていても、落ち込むのではなく「これでよくなんだ」と思えば必ずよい結果になりま
す。
私はおみくじをひくと必ず大吉がでます。大吉にはいいことしか書かれていないと思わ
れるかもしれませんが、注意事項が書かれていることがあります。
「なんで大吉なのに、注意が必要なの?」「それなら大吉ではないのでは?」と思うかも
しれませんが、それは当然のことなのです。
たとえば、「病気に注意しなさい」という注意事項が書いてあったら、「健康に意識を向
けなさいということですね。ありがとうございます」と素直に受け取れば、すべてよい結
果になり大吉になるのです。
占いやスピリチュアルな結果は真剣に読むのではなく、楽しむこと。
もし、「晩年苦労する」と書かれていたら、「それなら晩年苦労しないために、今、何が
できるか」を考える。結果は予言ではなく、よくなるためのアドバイスが書かれているの
です。
神社やお寺では、
今日ここに来られたことに感謝しよう
神社やお寺にお参りに行くとき、あなたはどんな気持ちで行きますか?
楽しみながら、「神様に会いに行こう」と思う人と、「真剣にお願いをしなきゃ」と思う
人とでは、どちらが幸せでしょうか?
「神様に会いに行こう」と思うほうが幸せですよね。神社に行くとそれだけで気持ちがス
ッキリして幸せな気持ちになります。でも、それってとても不思議なことですよね。神社
で、誰かが何かを教えてくれるわけではないのに、幸せな気持ちになって帰ってこられま
す。それはなぜかというと、「神社に行こう」という自分の素直な気持ちと向きあえるか
らなんです。
神社やお寺にお参りするとき、私はいつも、「今日もここに来ることができました。あ
りがとうございます」としか言いません。なぜなら、神様が何かをしてくれるわけではな
いのです。願いをかなえるために何かをするのは、他の誰でもない「自分」なのです。
「今日ここに来られる時間やお金があったことに感謝します」
「明日からも仕事をがんばります。いつも見守ってくださってありがとうございます」
このように感謝したら、神様はあなたを応援してくれて、どんどんよくなっていきま
す。
子どもの受験祈願に神頼みをする方も多いのですが、それよりも「お参りに来ている時
間は子どもの心配をするのをやめよう」と思ったほうがいい。子どもの人生なのですか
ら、子どもの心配をすることは邪魔にしかなりません。それはやめてあげるべきですよ
ね。
それよりも、「子どもがここまで育ったのも神様のおかげです。見えない力を貸してく
ださり、ありがとうございます」と感謝したほうが、子どもによいエネルギーがいくので
す。
せっかくお参りに行くのなら、幸せなことに感謝する。神社やお寺はお礼をしに行く場
所なのですから。
私は毎年、観音参りをしていますが、「観音様」は「音を観る」と書きますよね。です
から、お参りをする場合は、「○○になりました。ありがとうございます」と、百の願い
事と同じように、願いがかなったように過去形で声に出して言います。
観音参りは必ず一番から三十三番までの札所をまわるのですが、一番札所では「三十三
観音をまわることができました。ありがとうございます」と必ず言います。二番目から
は、自分のお願いを言っていきますが、五番目ぐらいになったころにはお願い事がなくな
ってしまうのです。ですから、願い事がないのは幸せなことだなと思いながら、「幸せで
す。ありがとうございます」となっていくのです。
三十三番札所まで願い事を考え続けられる人は、あまりいないのではないでしょうか。
汗だくになって歩きながら、最後に出てくる言葉はいつも「三十三番目の札所を探し出せ
たことに感謝します。ありがとうございます」なのです。
そうやって楽しく札所をまわることができる人にご利益があると、私は思います。途中
で小さな花を見つけては、「これは神様が見せてくれているんだ。ありがとうございま
す」。ごはんを食べるときは「おいしいものを食べることができて幸せです。ありがとう
ございます」となるのです。疲れて帰ってきたときのお水やごはんというのは、本当にお
いしいんです。そのことを道中で神様が教えてくださっている。簡単に辿り着ける札所も
あれば、何百段もの階段を登らなければ辿り着かないところもある。誰かに追い抜かされ
てしまうこともあれば、一生懸命歩いている人を見て「がんばっているな」と、応援した
くなることもある。
それは「人生と同じだな」と思うのです。「もう、無理」と思いながら、でも一歩ずつ
足を前に出さなければ、頂上には絶対に辿り着けません。もう一歩前に足を出すことで、
世界が開けていくのです。
人間関係だって同じですよね。「あの人苦手だな」と思っているうちはもっといやなこ
とが起きたりしますが、一歩踏み出して「あいさつの声が大きくていいな」「あの人は仕
事ができるな」とか、その人のよいところを見るようにすると、案外苦手だった人と一番
仲良くなれたりするのです。
最大の先祖供養は「あなたが幸せでいること」
「ご先祖様を大切にしていないから、バチが当たったのでしょうか?」と、不安でいっぱ
いな顔で質問されたことがありました。
でも、よく考えてみてください。あなたに子どもや孫がいたとしたら、バチを当てたい
と思いますか? そんなことは思いもしませんよね。そう考えれば、ご先祖様がバチを当
てたのではないことは明らかです。バチを当てるどころか、いろんなことをしてあげたい
と思ってあなたの周りで守ってくださっています。ですから、私は朝起きるとまず自分を
支えてくれているご先祖様に感謝します。
「いつも守り、導いてくださってありがとうございます」
感謝の気持ちで一日をスタートすることで、毎日を幸せに暮らすことができるのです。
最大の先祖供養って何だと思いますか? お墓参り? 仏壇にお花を欠かさないこと?
それよりももっとご先祖様が喜ぶことがあります。
それは、「あなたが幸せでいること」です。
子どもが幸せなら、親は嬉しいですよね。その親の親である、お祖父さん、お祖母さん
も孫が幸せだと喜びますよね。そのさらに上のご先祖様も喜んでいます。子孫が繁栄して
幸せなら、ご先祖様は天国で鼻高々ですよね。ですから、自分が幸せになるのはとても大
事なことなのです。
かつて戦や戦争で、人を殺してしまったご先祖様もいるかもしれません。そのため、
「祟られているのではないでしょうか?」という相談もよくありますが、そんなことはあ
りません。ご先祖様のしてしまったことは、ご先祖様本人にしか因果は及びません。
そのご先祖様の因果を取りのぞいてあげるためには、自分が幸せでいて、誰かを幸せに
してあげることです。周りの人にやさしくしてあげたり、自分が幸せだと感じたり、そう
すればご先祖様も、命をつないできてよかったと救われます。
「自分が幸せになること」は、ご先祖様まで幸せにしてあげられることになるのです。で
すから、「ご先祖様を救っているんだ」という気持ちで、幸せになりましょう。
最大の親孝行というのも「二人のおかげで自分は幸せです」と言ってあげることです。
親というのは、子どもに何かを買ってもらおうとは思っていません。子どもの幸せをひた
すら願っているのです。
私は斎藤一人さんに本当によくしていただいていて、一人さんに何が返せるだろうとい
つも考えています。一人さんはお金もたくさん持っていますし、「何が欲しいですか?」
と尋ねても、「欲しいものはないよ。他の人によくしてあげなさい」と言われてしまいま
す。ですから、「一人さんのおかげで幸せになりました」と言うことが最大の恩返しだと
思い、口に出してよく言っています。
「幸せでいること」「幸せに感謝すること」
これが、先祖や親、お世話になった人への最大の恩返しなのです。